岡山は江戸時代に藩が神道中心の政策を行った影響により、今でも神道色が根付く地域です。
そのため日本が浄土系の信仰傾向にあるなか、岡山県は真言宗の信徒が多い特徴があります。
真言宗は土地に根付く神々を仰ぐことで、仏教の繁栄を願っていたと言われています。
では、日本全国と比較してしきたりに違いがあるのでしょうか。
ここでは葬儀に着目してみていきましょう。
日本の宗教に詳しくなろう!そもそも浄土真宗と真言宗は何が違う?
日本に多くの信者がいる浄土真宗は、鎌倉時代に親鸞が始めました。
南無阿弥陀仏と唱えれば全ての人が救われるという「他力本願」の思想が根幹となっています。
信仰するだけでも死後は等しく往生出来るというものです。
そのため浄土真宗の葬儀は、阿弥陀如来になった死者に感謝を表す儀式。
死とともに極楽浄土に迎えられたとされるので、故人の供養ではありません。
対して真言宗は平安時代に空海が開宗しました。
念仏を唱え仏の行動を実践すれば、この世で即身成仏出来るとされています。
「自力本願」により、生きている世界で救われるという点が浄土真宗と異なっていますね。
岡山で多い!真言宗で行われる葬儀の意義とは
真言宗の葬儀は、亡くなった人を大日如来がいる浄土へ送り届けるための儀式です。
そのため葬儀では、この世で身についてしまった悪習慣やけがれを綺麗にし、仏の加護を受けられるように供養します。
また亡き者に審判を下す「十人の裁判官」に裁かれないようにも配慮しています。
他の宗派にはない、特徴的な儀式がある!
真言宗で行われる葬儀のしきたりとして、故人の頭に水をかける灌頂(かんじょう)を行っています。
仏教では仏の位につく際、頭に水をかけるためです。
また、土砂加持(どしゃかじ)という儀式もあります。
清めた土砂をかけてから納棺することで、身についたけがれを落とす効果があるとされています。
他にも早急に仏弟子にするということで、お経は小さく早口で読まれるという特徴などもあります。
とはいえ、葬儀のやり方は地域によって異なるので詳細は寺院や葬儀社に聞くと良いでしょう。