コシヒカリと言えば、日本を代表するお米であり、その味わいの良さも多くの銘柄が存在する日本にあって現在もトップクラスです。このような実力を持つコシヒカリも特に新潟県にある南魚沼エリアのコシヒカリは絶品とされています。今回は、なぜ南魚沼エリアのコシヒカリはおいしいのか、その理由を中心に解説しましょう。
南魚沼のコシヒカリがおいしい理由は?
南魚沼エリアのコシヒカリがおいしい理由は、水、気候、そして技術力です。まず、南魚沼のコシヒカリに使われる水は、八海山など越後の山の雪解け水です。栄養を豊富に含んだ水を早い段階から吸収することで旨味のあるコメが育ちます。気候は寒暖差によるものです。朝と夜との寒暖差が大きく、特にコシヒカリが育つ夏場は夜になると冷え込みます。この冷え込みによって糖分が蓄えられ、コシヒカリに甘みが乗ってくるのです。最後が技術、つまり南魚沼の米農家の力です。全国の米農家は高い技術力を持っていますが、特に南魚沼のコシヒカリ農家は、コシヒカリが開発された早い段階から栽培を開始しています。これによって多くの技術的なノウハウや知識を蓄積していき、最適なコシヒカリ栽培を実現できるようになりました。さらにこれらの技術や自然を次の世代に引継ぎながら全国トップクラスのクオリティを誇るコシヒカリ栽培を実現しています。
福井で生まれた?コシヒカリの誕生
コシヒカリと言えば新潟のイメージがあります。確かに新潟県で栽培された「農林22号」と「農林1号」を使用して開発された経緯があるのは事実です。しかし、系統育成と呼ばれるコシヒカリ品種を固定する栽培が行われたところは福井県なのです。
コシヒカリの父・石墨慶一郎博士
コシヒカリの開発の指揮を執ったのは当時福井県農業試験場長だった石墨慶一郎(いしずみ けいいちろう)博士です。当初、倒れやすく、いもち病になりやすいことから戦後の食糧難で無視されていたイネを見出し、「越南17号」として品種を固定しました。そして、その味わいの良さをセールスポイントに他県へも種もみを配布し、他県、特に新潟で多く普及したことから「農林100号」と正式に命名登録されました。